- 公務員ワーママだけど仕事を辞めたい
- けれど周囲に辞めるのは勿体ないって言われている
この記事は、そんな公務員に疲れて辞めたいと感じているワーママに向けた内容になっています。
実際に公務員ワーママを辞めた筆者が
- 公務員の良いところや悪いところ
- 辞めるときに考えるべきこと
- こんな時は辞める方が良い
ということを詳しく解説しています。
もしあなたが公務員を続けようかどうか迷っているときは、ぜひ最後まで読んでもらえるときっと参考になると思います。
正直なところ、ママには公務員って結構きつくない?
正直なことを言うと、ママにとって公務員って結構きついんじゃないかな、というのが私の感覚です。
私は田舎の地方公務員でしたが、育児と仕事との両立に悩んで退職しています。
それは、公務員として働きながら子育てを十分にすることができないと感じたためです。
ここでは、私が公務員×ママのきついと思ったポイントを簡単に書いていきます。
一口に公務員と言っても様々な職種が存在しますので、あくまで地方の事務員の体験談として読んでいただければと思います。
時間外が多い
私が働いていた自治体では、とにかく時間外の業務が多かったのが特徴でした。
主には、
- 夜間の会議
- 日直業務
- イベント対応
などがありました。
夜間の会議
住民の方を交えた会議って、どうしても夜間になりがち。そして、組合活動とかもあるからどうしても業務終了後の会議が多くありました。
時短を選択していても、「もちろん出れるよね?」的な圧がすごかったので夫に子供を任せて出ていることがほとんどでした。
そうすると夜間の会議も出るのが当たり前になっていくという悪循環…子供が小さい職員にこの環境は本当に大変だと感じました。
日直業務
戸籍関係については24時間365日届け出を受け付けなければならないという決まりもあり、土日祝日も常に役所には人がいる状態にしておかなければなりません。
宿日直業務は、大きな自治体では外部に委託していることもありますが、私は小さな自治体に勤めていましたので全てを職員が対応していました。
大体日直業務は月1回まわってくる感じでした。子どもの預け先(夫や実家の親)との調整も大変で、毎月毎月気が重い業務でした。
イベント対応
私は先述したとおり、小さな自治体の職員でした。なので、自治体と地域が一緒になってやるようなイベントでは必ずスタッフとして駆り出されました。
多い時で月2~3回。日直業務と合わせると、月の休みの半分がなくなってしまうような感じです。
正直なところ、独身の時は疑問を持たずにやっていましたが、結婚して子供を産んでからは違和感を覚えることが多くなっていったなと思っています。
仕事内容や量の調整が難しい
子どもを産んでからは時短制度を使って働くママが多いと思いますが、公務員は仕事の内容や量を調整することが難しいなと感じました。
というのも、よく言われるように役所は縦割り組織だから。担当業務と担当外の業務がはっきりと分かれているため、ある一つの業務だけを他の人にやってもらうということが出来ませんでした。
そのため、他の人は8時間で済ませている業務を6時間で済ませなくてはならないという状況になり、常に自転車操業のような感覚で業務にあたっていました。
これは私の勤めていたところの規模が小さかったのも大きな要因だと思います。規模が大きくなると少し状況は違うかもしれませんが、多かれ少なかれこのような感覚を味わったことのあるママは多いのではないでしょうか。
ママが公務員を辞められない理由は…周囲の理解不足
それではここからは、ママが公務員を辞めることができない理由について書いていきます。
見出しにもあるとおり、ママが公務員を辞めたいと思っても辞めることが出来ないのは、主に周囲の理解不足というのが理由として挙げられます。
具体的には次の4点が大きな理由として考えられますので、それぞれについて詳しく書いていこうと思います。
- 安定しているから
- 制度がしっかりしているから
- 昇給していくから給与水準が高い
- 仕事が楽だと思われているから
安定しているから
公務員は一般的には普通の企業とは異なり倒産の心配はありません。景気が悪くなっても解雇されることはないし、給与を下げられることもありません。
そのため、あえて不安定な道を選ぶ必要がないと思われています。
制度がしっかりしているから
公務員は法律を順守する立場である為、働く環境の制度もしっかりしています。
公務員時代は、よく「公務員は恵まれているんだからー」と言われていました。
確かに制度はしっかりしていますが、それを使えるかどうかはまた別の話。そして公務員は労働基準法が一部適用されないため時間外に働かなければならないこともあったりするので大して待遇は良くなかったりもするんですよね…。
昇給していくから給与水準が高い
これは私が実際に夫(金融業)に言われたことなんですが、公務員は毎年必ず昇給するから、他の企業の女性と比較しても給与水準が高い、ということです。
確かに毎年昇給はしているけど、そもそもの給与水準が低いのであまり恩恵は感じられなかったというのが実感としてはあります。
仕事が楽だと思われているから
これは公務員あるあるだと思うのですが、周囲の人に公務員の仕事はとても楽で簡単だと思われていることがとても多いですよね。
確かに、利益を生み出すということを考えなくてもお給料がもらえるので、その辺のコスト意識は低い人も多いと思います。
けれど公務員の仕事はコストを意識してはできないことも多くあります。利益を生み出さないけれど世の中に必要な仕事を多く請け負っています。
ただこの辺の感覚は、公務員を経験したことのない人にはなかなか伝わりづらい部分なのかなと思います。
周囲が思うほど、公務員のメリットは少なくなっている
ここまで、周囲の人が思う公務員のメリットを挙げてきましたが、そのメリットは年々少なくなってきています。
本当に簡単に言うと、「仕事は増えているのに収入は増えない」ということ。
次から、ひとつずつ説明していきますね。
人員減、仕事は増
これはどこの自治体でも経験があるのではないかと思います。
予算を立てるにあたって、まず大きな割合を占めるのが人件費。当然議会などでもやり玉にあがることが多く、人件費を削減するために人員を削る自治体も多くありますよね。
けれどそれに反比例するかのように仕事はどんどんと増えていきます。昔からずっとある業務は減ることはないけど、新しい業務は増えていく…。
特に新型コロナウイルス感染症の影響は大きいと思います。対応に当たっている方は特に、仕事は増えるけれど恩恵は受けられていないと実感している方が多いのではないでしょうか。
退職金も減
公務員は退職金制度がしっかりしているから、長く勤めればその分メリットも大きいよねという印象も強くあったと思いますが、実は退職金は年々減少しているんです。
(マネービバより引用)
減少傾向にあるとはいえ、一般の会社員と比較すると退職金の水準は高いと言えますが、後述する通り公務員は副業が禁止されています。
月々の給与と賞与、退職金だけで生涯の収入を賄わなければなりませんので、これだけではちょっと心もとないな…なんて思ってしまいますよね。
年金も減、でも副業は禁止
ご存じの通り、公務員の年金は2015年9月に厚生年金に一元化されました。
一般の会社員の加入する厚生年金との差を解消するのが目的とのことですが、これにより公務員ならではのメリットがまた一つなくなってしまったということになります。
そして前述しましたが、公務員は副業が禁止されているため、将来の蓄えが心もとないなと感じても収入を増やすことが基本的にはできません。
安定しているけど収入はどんどん少なくなっている…この辺りをどう感じるかにもよりますね。
こう感じたら辞めようチェックリスト
このチェックリストは、私が公務員を辞めたいなと感じた時から今に至るまでに独自に作ったものになります。
- 職場全体が子育てに理解がない
- 職場の風通しが悪い
- 仕事にやりがいを感じられない
- 体調が良くない
個人的には、当てはまる項目が1~2個だったら様子見をしますが、3個以上当てはまったら退職する準備を始めるのが良いかな、と思います。
詳しくは紹介していきますが、特に重要なのが4番目の「体調が良くない」というところ。これに当てはまったらすぐにでも休職または退職するのをおすすめします。
職場全体が子育てに理解がない
今、日本は少子高齢化が進んでいます。そして不景気で、自分のことで精いっぱいな人が増えている印象です。
子育てをしていると、世間の風当たりってすこし強いなぁと感じることも多々あります。
世間の理解が得られないことは仕方ないなぁと感じる部分もありますが、地域の人口を増やし活性化させるのが仕事の役所が子育てに理解がないのはちょっといただけないなと感じます。
私の元職場は理解がある職場でしたが、別の自治体に勤めていた友人は
「この部署にいる限りは妊娠出産は諦めてもらうから」
と異動直後に上司に言われたそうです。
これは稀なパターンとは思いますが、もしこんな雰囲気の職場だったら迷わずに辞めることをおすすめします。
職場の風通しが悪い
次に似たようなところで、職場の風通しが悪いパターン。
暗黙の了解が多かったり、上司に意見が言えなかったり…。このままここにいたらダメになってしまうなと感じる職場で働き続けることはおすすめできません。
仕事にやりがいを感じられない
公務員の仕事って結構特殊で、これはどの部署に行っても根本的なところは変わらないと思います。
ここにやりがいを感じることができるのかそうでないのかは、仕事を続けるうえでの大きな指標の1つになると思います。
10年後も同じような仕事をし続けたいのか?
自分自身の気持ちをしっかり確認することが大切です。
体調が良くない
体調を崩してしまったときは特に仕事を続けるのか辞めるのかに向き合うときですよね。
私が働いているときは、特に若い子が公務員の特殊な環境に合わなくて鬱になり、休職してしまう…ということが多くありました。
そのうち2人は早々に公務員に見切りをつけ、新たな人生を歩み始めました。
身体も心も、壊れてしまったら元に戻るのは本当に大変です。
仕事を辞めるのは勇気がいることですが、まずは自分の心身の健康を一番大切に考え、仕事を続けるのかどうか考えてほしいなと思います。
実際にワーママ公務員を辞めてみて…
私は10年間公務員として勤め、子育てとの両立ができなくて退職をしています。
その後は新型コロナウイルス感染症の影響もあり在宅の仕事をしながら資格を取得し、現在は社労士として働き始めています。
公務員を辞めた直後は、不安定な生活に不安を感じることもありました。でも今は自分の頑張り次第でいくらでも収入を増やすことができ、やりがいのある仕事を作り出せるこの状況にとても満足しています。
今は副業や転職などでどんどんスキルアップしていくのが当たり前の世界になっています。公務員はある意味その対局にいる存在です。
もちろん、冒険をせず安心、安定を求めて穏やかに生きていくのもとても良いことだと思います。公務員の皆さんが私たちの生活の根幹を支えてくれているから、私たちは毎日平和に穏やかに暮らすことが出来てるからです。
けれど、今の生活に不満があったり、将来に不安を覚えるようなことがあれば、「公務員を辞める」という選択肢を真剣に考えてみるのも大切です。
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